紹介文の書き方
「あの本この本どんな本」ー子どもの本の紹介文の書き方ー
児童図書館研究会近畿支部の重鎮、川上博幸 氏の著作を読んだので、
記録しておく。尚、冒頭の本は、2021年度で配布を終了するとのこと。
感想文は別途残したので、テクニックメインに残す。後半の例題は載せない。
前半の導入までもあるので、1/3も削れて、1/6から抜粋になる。
2章、ブックガイドの基礎
- 用語は正しく使うべし
3章、紹介文を書くにあたって
- 紹介したいと思う本はちゃんとあるか
- これが無ければ始まらない
- 著作と誠実に向き合ているか
- 他人はどうでもいい、自分の持てる力量で著作に向き合えているか
- がっかりガイドにならないこと
- 読む人のことをちゃんと考えられているか
- 対象を広げ過ぎるとがっかりガイドになる( この本のようにな )
3章2節 特徴を捉える
- 本の外観はどうだ
- 本はどういう立ち位置の物か(ジャンル・著者の政治・宗教的思想・物語か、事実か・課題図書か・本の社会的立ち位置は)
- 内容の把握
各ジャンルの着目点
- 読み物・児童文学
- 主題を読み取る
- 主人公がどう動くのかを見る
- 現実物語、空想物語、動物物語、伝記物語それぞれの分野特徴をどう読めるか
- 主題図書、知識の本
- 著者が言いたい主題を読み取る
- 著者にちゃんと権威があるか読み取る
- コタツ著者じゃないだろうな?
- 監修者の眼が感じられるか
- 作者の質が最たる特徴になる
- 絵本
- お話えほん、物語えほん、むかしばなしえほん、知識えほんどれに当たるだろうか
- 絵は何を語るか、目は何を見るか
- 雰囲気はどうか、「ページをめくる楽しみ」はあるか
- 大きさはどうか、見開きの絵、1ページの絵をどう評価するか
- 絵と文字の関係はどうか
- 色はどう使われるか、色柄・色調・構図・表現技法など
- 絵の特徴が、本当にその年齢層にマッチしているかを見る
- 読者の年齢や発達にどうかかわってくるか
- 絵ではなく、図や写真の場合は、その特徴が主題と合致するか
- 絵が誇張し過ぎていないか
4章 紹介文を書いてみよう
- どこに貼られるものなのかを確認する(出力先の使われ方)
- 書く順序
- 取り上げる本を決める
- あらすじを含めて各事柄を確認する
- 読む対象年齢を決める
- 字数を意識して書く、照会文は大体Max250文字
- 読者を読みたいと思わせること
- イメージが湧く書き方をする事
- 抽象的な内容の紹介の長所・短所を理解して書くこと
- 書名と内容に差異を整理する
- 幾通りもかけること
- 紹介し過ぎないようにすること
- 読み物・児童文学
- 主人公に沿う
- 作者の書きたい事を狙う
- 時間経過順に追う
- 第三者の客観的な視線で書く
- 主題図書
- 何を取り扱っているかに従って、バランスをとる
- 例:知識本の場合は、深入りすると読む人が理解できなくなる
- 絵本
- あらすじばかり書かない事
- 絵の良さ・表現の特徴を書く
- 文字化できないものに着目する
- ただし、見ればわかるは書かない事
4章4節 記述、文章で気を付けたい事
- 対象年齢に合わせて、対象年齢が理解できる内容で書くこと
- 言葉遣いや、仮名・漢字など
- 文章だけで紹介することに無理があることを肝に入れておく
- 書くときに抵抗感が出る
- 短い分だけで書く
- 面白いところだけを書く
- 読みどころだけを書く
- 文体の統一
- 文体を崩すときは、正しく理由をもって崩すこと
- 語尾の「のである。」「のです。」は避ける。無用な強調になる
- 体言止めは避ける。字数が少なくても、正しく文章にすること
- オチ(サゲ)は、源流の落語の落ちに沿って使う事
- 子供向け紹介文は、主語を明瞭化する。独特の言い回しは不要
- 修飾語・形容詞・副詞はなるべく使わない
- 接続詞は使わないようにすること
- 漢字は、当用漢字で書くこと
- ただし、紹介する本を正しく書く場合に限り例外とする
- 固有名詞など
- 仕上げたら、短時間であっても数時間寝かせて、読み直すこと
4章5節 川上氏流のやり方
- 最初の気持ち(ファーストインプレッション)を大切にメモする。第一印象にこだわる
- 挿絵と活字の大きさ、行間を気にする。それから、時の密度、本の分厚さを見ていく。
- 著者が述べたい事。読者をどこに連れていきたいかを素直に読む。
- 対象者に興味が持たれる部分を取り上げる。読者が興味をそそるようにする
- 読み物は、筋で(展開・活劇)読ませるか、主人公や登場人物の魅力で引き付けるかを見る
- シリーズ化を狙っているか、面白がらせ方の特徴を見る
- 社会問題では、著者の主張は勝った方が、負けた方かをチェックしておく
- 言葉遣いの変わり、表現の妙をチェックする
- 書いているうちに浮かんだ本との比較を作る
- 本の種類を改めてチェックする
- 内容( 目次、章立て、章見出し、図説、挿絵、写真、あとがき、索引 )を必ずチェックする
- 絵の調子、トーンを真っ先に見る。その絵は読者を引き付けるか(重視している方向性は、年代は)。
- 絵の描かれ方は?(水彩、油彩、切り絵、貼り絵、ドローイング、ペインティング、線画、塗り を見ていく)
- 音楽で言えばメロディーとハーモニーがどう構成されているかを見る
- 書名と内容は合っているか/合っていないのか
上記のような内容が抽出できた。
例題は、岩波書店だったり東京子ども図書館の紹介文だったりで、珠玉の逸品であるが、
そもそも紹介されている本の内容を知らないので、この単語でいい理由が私は分からない。
なぜ、前の単語から、この単語に置き換えることでブラッシュアップできていると言い切るには、
紹介されている本を実際に読んでおく必要がり、あまり参考にならなかった。
記載した通り、対象から外れると、川上氏がダメと言っている、
「がっかり図書」に川上氏自身の著作が入ると言う、ブーメラン刺さる一冊だ。
はっきり言って起きたのは200文字だから楽、150文字だから楽とは行かない。
私の感想文は1600文字の縛りで1572文字で書いたが、
8倍の文字数を書かなければならないのでしんどいのではない。200文字に厳選しなけれいけない方がしんどい。
1600文字あれば、脱線してエピソード書いたり、修飾語・形容詞などで盛に盛ることができる。
例を引っ張ってくることもできる。
短文ゆえの手軽さではなく、語彙選びの壮絶な苦労が始まる。
ちなみに、1572文字で感想文を仕上げたが、原案では2100文字を超えていた。
「あの本この本どんな本」ー子どもの本の紹介文の書き方ーの自己矛盾をつらつら綴っていたのだが、
割とそれを捨てた。その作業の苦労の8倍以上必要になるのは、私には向いていない。